当センターは、県内ものづくり企業の脱炭素化に向けた取組を支援するため、「栃木県産業技術センター脱炭素化技術開発等支援会議」を設置し、デジタル技術や新素材の活用など5つのプロジェクトチームにより、研究開発支援や人材育成等に取り組んでいます。
本ページでは、次のとおり、各プロジェクトチームが収集した脱炭素化に関する情報を掲載します。
これまでIoT・AI技術の活用に積極的な企業は県内でも一部であったが、昨今、CO2排出量削減を推進する動きに呼応し、当センターのスマートものづくり研究会等を活用し、デジタル技術を駆使した脱炭素化に取り組む企業が徐々に増えてきた。これらの企業において、一部AI技術を活用した生産性の向上などの取組が見られるが、多くは、消費エネルギーや設備の稼働状況を把握しデジタルデータ化する「見える化」が中心となっている。
機関名 | 主な技術 |
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宇都宮大学 知能ロボット・システム研究室 |
人工知能、ヒューマンロボットインタラクション、群知能ロボットシステムなど 詳細はこちら |
産業技術総合研究所 人工知能研究センター |
人工知能技術の実装による産業競争力の強化 詳細はこちら |
産業技術総合研究所 インダストリアルCPS研究センター |
AI、ロボット、センサ等の融合技術による生産性向上、技能の継承・高度化 詳細はこちら |
経済産業研究所 岩本 晃一 氏 |
中堅・中小企業へのIoT、AI実装化支援 詳細はこちら |
山形大学 インクジェット開発センター |
インクジェット技術の利活用による可能性の探求及び実用化に向けた技術開発 詳細はこちら |
(1) 研究開発
研究題目 | 概要 |
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加速度センサを用いたインプロセス工具摩耗監視システムの開発 | 2軸加工における加速度と切削力の関係を調査し、データ処理方法を検討することでインプロセス工具摩耗監視システムを開発する。 |
製造業におけるMR(複合現実)の有効性検証アプリケーションの開発 | MR機能を有したスマートグラスを用いて、ものづくり中小企業での活用を想定したMRアプリケーションを開発する。 |
AEセンサを用いた工具摩耗状態の監視 | 切削加工時にAEセンサで取得したデータから、工具摩耗状態及び欠損状態を推定する手法を開発する。 |
研削加工における加工機の電力変化による加工負荷の観察 | 研削加工における加工機の電力変化と加工負荷の関係を明らかにし、不安定加工が電力におぼす影響を検討する。 |
BIツール・RPAツール等を活用したデータ収集・可視化及び定型作業自動化の検討 | RPAツールやBIツール、Officeソフト等を活用した、稼働状況や環境情報を収集・可視化する手法及び定型業務の一部自動化を検討する。 |
(2) 企業人材の育成
事業名 | 概要 | |
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スマートものづくり研究会 | ものづくり現場で求められるデータの収集、見える化、分析を支援し、県内ものづくり企業の生産性向上や競争力強化を図るため、AI・IoTシステムの生産現場への適用とその効果を体験する研究会を開催する。 今後の予定などの詳細はこちら |
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技術講習会 | スマート工場のはじめかた | ものづくり全体の最適化、トレーサビリティ等を実現する“スマート工場化”に向けてまず何をすべきか、その最新技術について学ぶ。(6月14日実施済み) |
ものづくりにおけるデジタル技術の活用及びAI・IoTの重要性 | 生産性の向上を図るためには、デジタル技術やAI・IoTの活用が今後益々求められる。本講習会では、これらの技術を活用する重要性とデジタル技術の一つである樹脂3Dプリンタに関する技術について学ぶ。(7月8日実施済み) | |
作陶におけるデジタルものづくり技術の活用について | 消費者嗜好の多様化に対応した陶磁器製作や生産工程の効率化に効果が見込まれる3Dスキャナや3Dプリンタなどのデジタルものづくり技術及び作陶における活用について学ぶ。(11月22日実施済み) | |
電卓感覚で計算できる設計者用CAE | 応力、熱、流体などの解析を設計者が電卓感覚で使用できるCAEを活用した試作コストの低減や試作工数の低減方法などについて学ぶ。(2月3日実施済み) |
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デジタル時代に対応した繊維製品製造現場の取組 | 産業の変革ツールとしてIoT、DXが注目されており、繊維関連企業においても効果的な導入によるメリットの享受が期待されている。本講習会では、IoTやDXの概要と製造業での取組事例について学ぶ。(11月29日実施済み) | |
技術者研修 | ファッション・テキスタイルデザインにおけるデジタルツールの実践 | ファッション・テキスタイルデザインに活用されているデザインシステムの最新機能を講義で学び、デジタルペイントしたデータの生地への出力手法を実習により習得する。(2月2日実施済み) |
回転式動力計による切削加工の見える化 | 回転式動力計の操作方法、データ解析及び判定方法の座学と実習を通して、切削加工の見える化技術を習得する。(11月22日実施済み) |
デジタル技術活用プロジェクトチーム TEL:028-670-3396(機械電子技術部)
脱炭素化に向けた新素材等の活用について、多くの県内企業では、取引先企業や市場の動向を注視しつつ対応しており、樹脂の再生材料の利用拡大、部品の軽量化に向けた材料等の転換、材料の変更や表面処理等による部品等の耐久性向上(長寿命化)に取り組む企業が複数見られた。これら以外にも様々な新素材が求められる可能性があることから、引き続き、情報収集と製品改良等を進める取組が必要と考えられる。
機関名 | 主な技術 |
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東京工業大学 科学技術創成研究所 教授 佐藤千明 氏 |
接着接合全般、接合部の強度評価など 詳細はこちら |
早稲田大学 ナノ・ライフ創新研究機構 客員教授 加茂 徹 氏 |
プラスチックのリサイクル技術(樹脂可溶化技術など) 詳細はこちら |
フィラー研究会・富山県立大学 工学部 客員教授 永田 員也 氏 |
プラスチック用フィラーの選定、表面処理、複合化技術など 詳細はこちら |
(国研)産業技術総合研究所 ナノ材料研究部門 接着界面グループ グループ長 秋山 陽久 氏 |
接着メカニズムの解析技術、接着力の測定技術、界面分析技術など 詳細はこちら |
金沢工業大学 名誉教授 小川 俊夫 氏 |
接着メカニズムの解析技術、接着力の測定技術、界面分析技術、表面処理技術など |
群馬大学理工学府 准教授 井上 雅博 氏 |
接着メカニズムの解析技術、異種材料の接着技術、材料の寿命予測技術など 詳細はこちら |
小松技術士事務所 所長 技術士(機械部門) 小松 道男 氏 |
バイオプラスチックの射出成形技術、金型設計技術、商品化や活用技術全般、特許技術のライセンス 詳細はこちら |
大阪大学 大学院工学研究科 助教 大久保 雄司 氏 |
プラズマによる樹脂の接着性向上技術、表面処理した樹脂の表面分析技術など 詳細はこちら |
小山工業高等専門学校 機械工学科・複合工学専攻科 教授 加藤 岳仁 氏 |
フレキシブルな塗布型太陽電池の製造技術など 詳細はこちら |
(1) 研究開発
研究題目 | 概要 |
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海洋生分解性バイオマス/天然鉱物複合材料の開発 | 脱炭素化や環境負荷低減に有効な海洋生分解性バイオマスプラスチックを、日用品のほか高弾性率・高強度が要求される自動車部品等に適用するため、物性向上に寄与する天然鉱物を添加し、ABS/GF相当の性能を有する複合材料を開発する。 |
ポリプロピレン樹脂の結晶化度制御による接着性向上 | 自動車に多く用いられるポリプロピレン成形品について、接着に最適な成形・熱処理条件を明らかにする。 |
(2) 企業人材の育成
事業名 | 概要 | |
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脱炭素化社会実現技術研究会 | 今後、県内企業での活用が見込まれる脱炭素化技術(マルチマテリアル化技術、再生材料・バイオプラスチック関連技術)の導入や活用ノウハウ等の蓄積を支援するため、研究会及びワーキンググループ活動を実施する。 今後の予定などの詳細はこちら |
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技術講習会 | 最新の機能性加工剤について | 環境問題に対応した「機能性加工剤」の開発動向や植物素材を原料とした撥水剤を用いた加工法等を学ぶ。(7月27日実施済み) |
界面科学の基礎と接着の評価方法 | 界面科学の基礎を解説し、表面性状と接着の評価方法等を学ぶ。(8月5日実施済み) | |
技術者研修 | 万能材料試験機による物性に関する各規格試験と留意点について | 材料試験の基礎と各種材料の規格試験について学ぶとともに、万能材料試験機を用いた測定の留意点を実習を通して習得する。(7月6日実施済み) |
実施機関名 | 事業名 |
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県工業振興課 | 環境技術講演会 環境・新素材創出交流会 環境・新素材技術ワークショップ |
公益財団法人栃木県産業振興センター | オープンイノベーションプロジェクト支援事業 |
新素材等活用プロジェクトチーム TEL:028-670-3397(材料技術部)
県内食品製造業の多くがSDGsの概念を取り入れ、その実現に向けた動きが見られるようになり、フードロスに対する意識が向上している。そのような中、特に穀類や野菜を原料とする加工食品メーカーでは、原材料の前処理や製造工程において再利用可能なフードロスが発生し、今後はこれらを活用した技術や製品開発が益々重要視されるものと考えられる。
機関名 | 主な技術 |
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宇都宮大学 農学部 農業環境工学科 食品流通工学研究室 |
規格外そば等の利用技術 詳細はこちら |
宇都宮大学 地域デザイン科学部 コミュニティデザイン学科 地域資源領域 |
食行動に関する意識調査及び情報提供プログラムの開発 詳細はこちら |
小山工業高等専門学校 物質工学科 微生物工学研究室 |
農産廃棄物の微生物を利用した有用物質生産技術 詳細はこちら |
(1) 研究開発
研究題目 | 概要 |
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二軸エクストルーダーによる大麦未利用部位活用法の検討 | 二軸エクストルーダーによる大麦糠の加工特性を把握し、試作評価を行うことで、当該原料の有効利用法を検討する。 |
(2) 企業人材の育成
事業名 | 概要 | |
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高機能・高付加価値食品開発研究部会品質保持技術分科会 | 品質を担保する殺菌方法や安定した食品保存等の品質保持技術について、セミナー形式により開催し、商品の賞味期限の延長に寄与する。(7月14日、11月18日実施済み) | |
技術講習会 | フードロス低減と生産性向上 | 食品工場内のフードロス発生原因の抽出とIT等を活用した対策などについて学ぶ。(9月15日実施済み) |
技術者研修 | 最新の食品安全・衛生管理技術の習得 | HACCP制度化に伴う食品安全の動向や現場に即した衛生管理について講義と実習により習得する。(6月21日実施済み) |
フードロス削減等プロジェクトチーム TEL:028-670-3398(食品技術部)
国は、水素を幅広い産業分野で活用が期待されるカーボンニュートラルのキーテクノロジーとして位置付け、水素の供給コスト削減と、多様な分野における需要創出を一体的に進めている。こうした中、県内の一部企業では、市場ニーズに対応し、耐水素性を有する金属部品や樹脂部品の製造、水素関連部品への表面処理に取り組んでいる。水素市場への参入に向けては、今後も、取引先企業や関連市場の動向等を注視しつつ、自社技術を生かせる製品分野を探索していくことが必要と考えられる。
機関名 | 主な技術 |
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(国研)産業技術総合研究所 エネルギープロセス研究部門 水素材料グループ グループ長 榊 浩司 氏 |
水素吸蔵合金、水素雰囲気下における結晶構造解析・物性評価 詳細はこちら |
宇都宮大学 工学部 基礎工学科 教授 佐藤 剛史 氏 |
水素透過膜を用いた水素製造・水素分離 詳細はこちら |
足利大学 工学部 創生工学科 教授 松下 政裕 氏 |
水素吸蔵合金の水素吸放出特性・熱伝導解析 詳細はこちら |
水素関連技術活用プロジェクトチーム TEL:028-670-3397(材料技術部)
自動車の電動化に関して、車体関係においては独自に軽量化やコスト削減など開発を進めている企業もある一方、エンジン関連企業をはじめとして業態転換なども視野に検討している企業も少なくない。サプライチェーン参入に向けて、コスト、品質、サービスから技術革新に至るまで課題は多岐に渡るが、県の専門家派遣事業を活用するなど、企業の独自技術や強みを生かしたEV関連部品の試作・製造等について検討が進められている。
機関名 | 主な技術 |
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帝京大学 自動車技術センター |
地球温暖化、エンジン、排出ガス、内燃機関、自動車分野 詳細はこちら |
足利大学 准教授 土井 達也 氏 |
ワイヤレス給電技術及び応用技術など 詳細はこちら |
東京大学 特任助教 木崎 通 氏 |
研削加工の高精度高効率化・工具加熱加工法など 詳細はこちら |
(1) 研究開発
研究題目 | 概要 |
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樹脂3Dプリンタ造形物の機械的性質と造形限度に関する調査 | 樹脂3Dプリンタ造形物の機械的性質や造形限度等を調査し、各樹脂材料の特性を把握することで、3D造形による試作開発の支援につなげる。 |
(2) 企業人材の育成
事業名 | 概要 | |
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技術者研修 | 樹脂3Dプリンタ造形入門 | 樹脂3Dプリンタ造形の原理及びその手法を座学と実習により習得する。(7月29日実施済み) |
実施機関名 | 事業名 |
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県工業振興課 | 次世代自動車研究開発ワークショップ 業態転換支援事業 |
公益財団法人栃木県産業振興センター | カーボンニュートラルに向けた自動車サプライヤー事業転換支援事業 |
電動化対応プロジェクトチーム TEL:028-670-3396(機械電子技術部)